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浅井 雅人
no journal, ,
原子力機構タンデム加速器を用いて超重核の-核分光実験を行った。Cm標的を用いた熱い融合反応によりNo, No, No, Rfを合成し、ガスジェット搬送した後、それらの崩壊に伴う線を回転円盤型測定装置を用いて観測した。その結果、陽子数101,中性子数153を超える領域に位置する超重核の基底状態及び励起準位のエネルギー,スピン・パリティ,中性子軌道配位を初めて実験的に同定することに成功した。中性子数152から162の領域で中性子の一粒子軌道のエネルギー順序が逆転していることを明らかにし、理論計算との比較からその原因について考察した。
小浦 寛之
no journal, ,
原子核の球形単一粒子準位を大域的に再現する模型のひとつである、小浦-山田ポテンシャルを用いて、超重核より質量数の大きい核種領域の球形単一粒子準位を系統的に調べた。このポテンシャルはWoods-Saxon型ポテンシャルを改良した5パラメータ型であり、含まれるパラメータは陽子数,中性子数の滑らかな関数とし、中性子準位・陽子準位に対しては荷電対称性を考慮して,を入れ替えて用いる。このポテンシャルは、He, HeからSn, Pbの15核種の単一粒子準位を精度よく再現するように最適化されている。これを用いて得られた結果としてU, [114], [126], [126], [164]の候補核種が得られた。これらの単一粒子準位の閉殻ギャップは、Pbの閉殻ギャップと比べると押しなべて弱い。中性子準位ではそれでもN=164, 184, 228, 308の閉殻ギャップは近接の準位間隔と比較して比較的明瞭であるが、一方で陽子準位ではZ=92, 114, 126, 164のギャップは存在するといえるものの、かなりぼやけてしまう結果を得た。
佐藤 弘樹; 今井 伸明*; 石山 博恒*; 小澤 顕*; Jeong, S.-C.*; 西尾 勝久; 橋本 尚志*; 平山 賀一*; 牧井 宏之*; 光岡 真一; et al.
no journal, ,
短寿命核の核構造研究のための手法の一つとして、逆運動学共鳴弾性散乱の180度測定によるIsobaric Analog Resonance(IAR)研究がある。IARの共鳴幅は典型的に100keVであり、180度弾性散乱で出てくる反跳陽子のエネルギーは50MeVに達する。したがって、50MeVの陽子を100keVのエネルギー分解能で測定する必要がある。われわれは、飛行時間(TOF)の測定を行い、この分解能を達成しようとしている。例えば、10mのTOFで100keVのエネルギー分解能を満たすためには100ps弱の時間分解能が必要となる。しかし、現在までに50MeV程度の陽子に対して100ps弱の時間分解能でTOFを測定できる検出器は開発されていない。そこで、100ps以下の時間分解能の検出器を目指して、5050mmのプラスチック検出器を試作し、時間分解能測定を行った。講演では、時間分解能のPMT・プラスチック依存性について議論する。
瀬川 麻里子; 永井 泰樹*; 正木 智洋*; 天満 康之*; 嶋 達志*; 牧井 宏之*; 三島 賢二*; 上田 仁*; 仲吉 彬*; 太田 岳史*; et al.
no journal, ,
宇宙の年齢を決定する最も誤差の少ない方法の一つであるRe/Os核時計を核時計として用いるにはベータ崩壊でのみ生成された娘核Osの存在量を知る必要があるため、Os(n,)及びOs(n,)反応断面積を精度よく求める必要がある。加えて、Osは星の中で第一励起状態(Os')からも中性子捕獲を起こし存在量を減少させるため、この効果を見積もる理論模型の精度向上が急務となっている。そこでわれわれは上記の実験に加え次の二つの実験により得ることで、理論模型に制限を加えることに成功した。(1)Os非弾性散乱断面積測定、(2)Osと核構造が類似しているOsの(n,)反応断面積測定。核の類似性についてはJRR-3中性子源を用いて確認した。本講演ではOs(n,)反応断面積及びOs(n,n')反応断面積の実験結果と、これらの実験値と精度よく一致した理論模型によるOs'(n,)反応断面積値及び宇宙年齢導出の精度向上に貢献した結果を示す。
宇都野 穣; Brown, B. A.*; 大塚 孝治*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*
no journal, ,
不安定核における殻構造の変化、いわゆる殻進化、は不安定核構造を理解するうえで非常に重要な研究対象である。テンソル力が殻進化に重要な役割を果たしているという説が有力であるが、中心力の影響を排除した直接的証拠はこれまでなかった。中性子が増えたときの陽子軌道のスピン軌道分離エネルギーを押さえることがテンソル力の影響を抽出するのに重要であるが、高励起状態では一粒子状態が見えにくくなるため、このエネルギーは完全にはわからなかった。われわれはスペクトロスコピック因子に着目し、その重心値が一粒子エネルギーを与えることを利用して中性子数28領域の不安定核の殻ギャップを研究した。その結果、テンソル力を入れた新しい殻模型相互作用では、Caからの一陽子ノックアウト反応に関するスペクトルスコピック因子の分布を基底状態から約9MeVの励起状態まで非常に正確に再現することがわかった。一方、テンソル力なしでは強いスペクトルスコピック因子を持つ状態が高い励起エネルギーへシフトし、実験値を再現しない。この結果から、CaからCaへ変化する際の陽子の殻ギャップの変化、特にd軌道間のスピン軌道分離エネルギーの減少を定量的に再現し、テンソル力が本質的な役割を果たしていることを示した。
早川 岳人; 静間 俊行; 千葉 敏; 梶野 敏貴*; 初川 雄一; 岩本 信之; 篠原 伸夫; 原田 秀郎
no journal, ,
Sn-115の天体起源は現在まで議論が続けられている。その天体起源の可能性としてs過程と呼ばれる中性子捕獲反応過程における生成が挙げられる。その定量的評価にはCd-112からCd-113アイソマーへの中性子捕獲反応断面積計測が必要である。しかし、これまで計測されていなかった。そこで、まず熱領域の中性子捕獲反応断面積を原子力機構の研究用原子炉JRR-3を用いて測定し、Sn-115へのs過程への影響を評価した。
丸山 敏毅; 丸山 智幸*; 巽 敏隆*; 千葉 敏
no journal, ,
有限温度に拡張した相対論的平均場模型によって、原子核物質の構造と状態方程式をもとめた。低密度で一様物質の圧力が負になる領域では密度の高い液相と密度の低い気相とに分かれ、それが球形や棒状といったパスタ構造を形成することがわかった。このパスタ構造の現れる範囲は、密度に対する一様物質の圧力の勾配が負になるスピノーダル領域と、その周辺である。ゼロ温度に対する有限温度の特徴として、パスタ構造の現れる密度領域より低密度側に、安定な一様物質の領域(気相)が現れることがわかった。
橋本 慎太郎; 緒方 一介*; 千葉 敏; 八尋 正信*
no journal, ,
原子核反応の中で、入射粒子の一部あるいは全体が標的に吸収される反応は、それぞれ不完全融合(incomplete fusion)反応や完全融合(complete fusion)反応と呼ばれている。これらの反応は複合核過程を通して起こると考えられており、研究の歴史も古いが、特に前者の反応については未だ十分な理解が得られていない。近年では中性子過剰な不安定核の研究が集中的に行われており、弱束縛系の原子核が関与する反応における不完全融合過程の理解が求められている。重陽子をはじめとする弱束縛系の原子核は反応の途中で容易に分解と結合を繰り返すため、反応解析を行う際にはこの自由度を適切に取り扱うことが重要となる。われわれは、この効果を非摂動論的に取り扱うことができる離散化チャネル結合法(Continuum-Discretized Coupled-Channels method; CDCC)を用いて、不完全融合反応を定量的に理解することを目指している。本講演では、-Liの系について計算した各融合反応断面積を報告し、不完全融合過程の重要性について議論する。
静間 俊行; 早川 岳人; 大垣 英明*; 豊川 弘之*; 小松原 哲朗*; 菊澤 信宏; 民井 淳*; 中田 仁*
no journal, ,
高エネルギー加速電子とレーザー光との相対論的コンプトン散乱によって得られるレーザー逆コンプトン線を用いて、Pbの核共鳴散乱実験を行った。ビーム偏光面に対する散乱線強度の非対称度を測定し、磁気双極子遷移を観測した。その結果、励起エネルギー7.3MeV付近に1準位を観測し、基底状態への遷移強度を決定した。本講演では、実験手法及び解析結果について報告する。
山口 充孝*; 河地 有木; 渡辺 伸*; 小高 裕和*; 武田 伸一郎*; 石川 真之介*; 青野 博之*; 高橋 忠幸*; 荒川 和夫; 中野 隆史*
no journal, ,
これまで、シリコン及びテルル化カドミウム半導体検出器を用いたコンプトンカメラの開発を行ってきた。このコンプトンカメラの検出器部分が1台の場合、検出面に相対するX-Y平面は半導体に微細構造を施した効果により良好な空間分解能が得られている。しかし、奥行き方向(Z軸)の分解能は、大幅な劣化が計測された。この欠点を解消するため、次世代の医用コンプトンカメラではマルチヘッド化を提唱し、モンテカルロシミュレーションによる分解能の評価を行った。その結果、Z軸のみならずX-Y平面におけるさらなる分解能の向上が示唆された。